ねぇ、聞いて聞いて。

日々のいいなあ、と思ったことを書いたり弱音を吐いたりするブログ。銭湯・ラジオ・中央線沿いの街をこよなく愛してる人。 ときどき、おうちごはん日記。

はじめてのゲストハウス「風の森キッチン」

友達とほぼ交流しなくなった生活の中。
人間関係は職場以外のコミュニティでしか人と過ごしていない。

そんな中、まったく知らない人と相部屋になって
あらゆる部分の共有部で過ごすゲストハウスとはどんなものなのか。
まったく知らない人と交流したらどうなるんだろう?っていうのを自分の中で探りたい。
遠く見知らぬ土地でリフレッシュしてみたいし単純に楽しそう!

と思ったことから、ずーっとずーっと気になっていた
「ゲストハウス」に初めて泊まってみた。

だけど、自分がゲストハウスで楽しく過ごせるかは未知数。
実際は人疲れしてあまりいい思い出にならないんじゃないかっていう不安のほうが行く前は強かった。

でも楽しめなくてもずっと気になっていたことだから、
チャレンジするだけでもよし。

さて、どうなるんだろう…と胸をはせながら家を出る。


今回選んだゲストハウスは埼玉県川口市にある「風の森キッチン」というところ。

元々、埼玉県に行きたい所があって。
遠出するならせっかくだしゲストハウスに泊まってみよう!っていうのがきっかけ。

その埼玉県にあるゲストハウス中で
一番雰囲気が好みだったのが、この「風の森キッチン」

東京から、埼玉県へ。
ぼーっと考え事をしながら電車に乗っていると
ゲストハウスの最寄り駅である「鳩ヶ谷駅」にあっという間に着いた。


この先に駅員さんが作った水族館があるよ!との案内の先に行ってみると…。
手作り感満載でなごむ。




いたるところにお稲荷さんが居てかわいい。


鳩ヶ谷駅からゲストハウスまでは10分ちょい歩いて
ゲストハウス「風の森キッチン」に到着。

チェックインを済ませて中へ。

案内してくださった方が丁寧な安心感のある案内で、とてもよかった。
職場に新人が入ってきたので教える時に心がけたいなぁ…

と思ったところで旅先に来てまで仕事のことを考えてる…と一人ごちる。


中に入ると雰囲気のある古民家で、大広間やダイニングキッチンには
生活の跡と積み上げてきた歴史をいたるところから感じる。

特に、木。

何気ない壁や扉の木たちが経年ですごくいい味を出していて好き。癒される…。

スタッフの案内が終わって、部屋で一休み。

部屋、というかベッド。

ゲストハウスでは一つの部屋に別の宿泊者も居る空間なので
わたしだけの個室じゃなく、わたしだけの空間はロフトベッドの二段目のみ。

このこじんまりとした空間とロフト。
木で作られた空間。秘密基地みたいでかなりわくわく。

しかし、わくわくしている中。

人の呼吸の音。
顔も知らない知らない人の動いた時の音。

ひ、ひとがいるー!

頭では理解していたけど、実際に行って体験するまで想像ついてなかった。あわわ。

ゲストハウスだもん。そりゃ人居るわな。

知らない人と相部屋になったのは何年振りだろう。

ドキドキしながらベッドの上で寝転んでると
目に入る自分のリュックとかばんに安心する。

知らない土地。空間。知らない人と一緒。

このふたつだけが、今私に馴染みがあって、安心できる存在。

ちょっとドキドキが落ち着いてきたので
ゲストハウス内を探索したくなって、下に降りるとやっぱり人が居て。

もうドキドキ。
話しかけないでくれ〜!と祈りながら本棚の本を物色しているフリをした。

まったく知らない人と交流したらどうなるんだろう?
っていうのを自分の中で探りたいだとか
知らない人と交流してみたい!と意気込んだ癖にこれ。

まさに借りてきた猫。ひぃ。

探索していると、目に入る知らない人のモノ。洗剤、食器、衣服。
誰かが作り上げていった生活の跡。
普通のホテルじゃ、味わえない。

こういった生活の跡が好き。

ゲストハウスの探索も終えたし、遊びにいく為に外出。

ゲストハウスのスタッフさんが親切で、おすすめの場所を教えてくれてホクホク。
そうそう、こういう住んでいる人の生の声と情報が欲しかったんだよ~!



色々とハシゴして帰ってくると、あたりは真っ暗。

でも帰って来ると「おかえりなさい」と行ってくれる人がいて、安心する。
来た時は借りてきた猫状態だったのに、次第に心がほぐれていた。

これが普通のホテルだと、綺麗だけど無機質で。
自分のものがない、何も知らない土地と空間で遊んで帰った時に
部屋に戻ると無性に寂しさを感じるのだけど、このゲストハウスでは無かった。

むしろ人がいることに安心した。

朝。
朝ごはんを作る音がする。

トントントン、と包丁の音。

温かみのある音。

この音、何年振りだろう。

次第に完成が近づき、朝食の匂いが部屋まで届く。

どんな料理が出来上がったんだろう。わくわく。

下に降りるとスタッフの方と、宿泊者の方が気持ちよく挨拶してくれて
土鍋で炊いた炊きたてご飯をよそって、
スタッフさんと宿泊者の方とで囲んでいただきます。

スタッフさんと宿泊者の方と囲んで、知らない人とごはん。

最初はドキドキしていたけども、次第にごはんを一緒に食べることで解れていって。

宿泊者の方も、とてもいい方でいっぱい色々な話をした。

話している中で今まで気になっていなかったことを
改めて意識して確認してみたり、家族の話、ひとり暮らしの話。
身近にいる人じゃないからこそ、話せる話。

中でも一番印象的だったのは、日本は雨が112日降るから
雨だな~憂鬱だな~ってなるんじゃなくて、1年の3分の1は雨が降るんだから
楽しもうっていう話が素敵だなぁって思って印象に残った。

身近にはいない価値観と考え方、生活と仕事の違う人と話せてとても新鮮だったし
初対面の人と話すのは怖かったけども、それ以上に温かさがあった。

教えてもらったお店も、自分で探して見つけた先も、
とても良いところで遊びも楽しくて。

最初は自分がゲストハウスで楽しく過ごせるかどうか不安だったけども、
とてもいい思い出が出来たし、熱が冷めないうちに
次に泊まるゲストハウスの予定を立てているぐらい充実した旅だった。

行ってよかった。