ねぇ、聞いて聞いて。

日々のいいなあ、と思ったことを書いたり弱音を吐いたりするブログ。銭湯・ラジオ・中央線沿いの街をこよなく愛してる人。 ときどき、おうちごはん日記。

数年経っても、心に残っている接客。

数年、原因不明の不眠症に悩んでいた。

8~10時間寝ても、2時間しか寝ていないような感覚。

全然、熟睡できない。浅い眠りしかできない。

精神科にも行ったけど、解決はしなかった。
原因は精神的なものではなくて、身体的なものだったから。
でも、身体的なものでも検査では異常なし。

薬で治らないなら、じゃあ、どうしたらいいんだろう…
なにをしたらいいんだろう…と悩んでも医者にあたっても答えが出なくて
仕事や私生活にもかなり支障が出ていて、本当に辛かった。

医者にあたってもダメなら、自分で探すしかない!
とにかくどうにかしないと本当に辛い!と思ってネットで色々検索して出てきたのが

「自分に合う枕を使うと、眠りの深さが全然違う」

という一文。これだ!と思って色々と枕を買い漁ってみた。

しかし、全然変わらず、むしろ合わない枕を使っていたから余計酷い状態に。

どんな枕を試してもダメ。というか自分に合う枕ってなんだろう…
もう自分じゃ解決出来ないのでは?

…そうだ!眠りのプロ、枕のプロに相談すればいいんだ!
自分に合う高さの枕を作ってもらえば、間違いない…!とオーダメイド枕を作ることに。

いざ、近場で評判が良いオーダーメイド枕のお店を調べて
藁にもすがる思いで、早速予約し、お店へ。


入店すると、スーツを来たアドバイザーの方がうやうやしくご挨拶してくれ
睡眠状況のヒアリング、オーダーメイド枕の特徴を丁寧に説明してくれて
私の身体的な特徴と首の高さを見て、枕をフィッティング。

この高さはどうですか?高いのであればミリ単位で調節します。
首が平行になっているのでちょうどいいですね。

と、トントン拍子で丁寧な接客でちょうどいい高さの枕を調節してくれ
ベッドで横になって、身体が痛くないのは初めて…!
これなら、よく眠れて不眠症も解決しそう…!と感動したものの

「こちら、ご購入いかがいたしますか?お会計は1万円です。」

店員さんのこのひとこと。
…いち、まんえん。枕にいちまんえん。

感動したものの、即欠するには抵抗感のあるお値段。
いい枕だったし、いい接客だった。

けれども、値段。いちまんえん…
「もうちょっと考えてからにします~」と店員さんに言い、ひとまず退散。

…したものの、数日後にはまたオーダーメイド枕のお店の前に立っていた。

この数日間、やっぱり身体が痛くて眠れなない日々が続いていて改善の兆しなし。
もう我慢の限界で、枕で、1万円で、解決出来るのなら…!と藁にも縋る思いで
お店を予約し、また再びオーダーメイド枕のお店の前に立ったのである。

初回来店の時に担当してくれた素晴らしい接客の店員さんいるかな…?と思いながら
受付に立っていた店員に予約名を告げ、受付を済ませてオーダーメイド枕の作成へ

すると、枕の作成を担当してくれる店員さんは初回訪問時の素晴らしい店員さんではなく
首にかける紐の部分が明らかにアニメのプリントのネームホルダーを掛けた
チャラチャラとした明らかにアルバイトの店員さんだった。

アニメのネームホルダー、アニメに対して別に偏見があるわけじゃない。
だけど、枕に囲まれた空間でそのネームホルダーは浮きすぎでは…?

まあ、ちゃんと作ってくれるならなんでもいいや。と思って
よろしくお願いします、と挨拶をすると、その店員さんは自分の名前も名乗らず、
軽く「よろしくお願いします~」と言うだけ。

初回訪問時の素晴らしい店員さんとのギャップもあるけど、
思い返せば、他の受付の店員も、客である私が入っても「いらっしゃいませ」の一言もなし。
受付の時に名前を告げた時も「お待ちしておりました」等の挨拶関係も一切なし。

…随分、やる気のないお店だなあ…とここに来て不安になりつつ
初回訪問時に私の希望でフィッティングの履歴を作っていなかったので
またイチから、枕を私の頭に合わせていく作業をお願いする。

最初はスタンダードな高さの枕を渡され、寝てみると
ちょっと高かったので、もう少し低めで…と言うと今度は低めの枕が出てきたものの
明らかに私の身体に合わせて調節したものではなくて、
お店であらかじめ設定されている低めの枕をただ持ってきただけ。

それだと低すぎると伝えると、今度はまたお店で高めの設定にされている枕を持ってきて

「どうですか~?」
ちょっと高いので低くしてほしいです。
「わかりました~」

で、今度はまた最初のスタンダードな高さの枕に逆戻り。
また低いと言うとお店であらかじめ設定されている低めの枕をただ持ってきただけで
私の身体に合わせて高さの調節を一切しなかった。

というか、出来ないんだろうなというのがビシバシ伝わってきた。

そんなことを繰り返すと、だんだんと疲れてきて
普通の高さの一切調節していない枕でもいいんじゃないか。
もう疲れたし、もうなんでもいいから枕買って帰りたくなった。
この普通の高さの枕でもなんだか自分に合っているような…いやもう面倒くさい。
新しい枕ならなんか、変わるかもとヤケクソ気味だけど藁にも縋る思いで
全然、調節も何もしてくれなかった枕を買った。オーダーメイド枕なのに。

家に帰って、寝てみるともちろん自分に合わせてもらってないので
まったく合わず、むしろ前より身体が痛い。

ヤケクソ気味で買った私が悪いのは分かっている。
が、オーダーメイド枕なのに一切調節もしないあのチャラチャラ店員さんと
対応できる店員がいないのに予約を受け付けるお店は酷すぎやしないか、と
ジワジワと怒りが湧いてきた。

なので、その最初のお店には頼らず多少遠くても
再度、別のお店で調節してもらおう。(この枕は他店でも何度でも調節OK)
その別のお店でも納得のいく対応やフィッティングをしてもらえなければ
本社にクレームをつけてやろう…と思い立ち、
立ち寄れる範囲の中で一番評判のいい系列の店舗を探し、予約して行った。

最初のお店は40分弱で着くものの、評判だけを見て行ったお店は1時間半。
…つらい。身体もつらい。ここで解決しなかったら1万円の枕も無駄になるし
そもそも返品できるか怪しい。おかねも、辛い…。

前回の店舗への怒りを携えながら、お店へ入ると
「いらっしゃいませ」と店員さんの挨拶。

「ご予約ですね。お待ちしておりました。
 大変申し訳無いのですが、今接客が長引いておりまして…
 狭くて申し訳無いのですが、こちらのお席でお待ち下さい」

と、前回のお店ではなかった挨拶がしっかりとされて
最初の対応で隅々まで配慮の行き届いた対応…!
前回の雑な対応で荒んでいた心がちょっぴり落ち着いた…。

お店の中での他のお客さんへの接客も、とても穏やかで、
実際に接客されていないのにとてもいい雰囲気だというのが伝わってくる。

ほどなくして「お待たせしました」と呼ばれ、
フィッティングを行うベッドへ案内され、丁寧にうやうやしくご挨拶。

そこから、本題。

店員さんから
「前回、〇〇店で3日前に枕を作っておられますが
この短い期間で再度、フィッティングされるということは
枕が合わなかったということですよね…どういった部分が合わなかったのでしょうか。」

はい、きたー。

前回の店舗でのこと。
オーダーメイド枕なのにスタンダードな高さの枕しか持ってこなかったこと。
何回もやり取りしても、身体に合わせた調節をしてくれなかったこと。
前回の店舗じゃ、どうしようもないと思ったから貴店にきたこと。

すべて事情を話した。

ここまで、すごく丁寧な姿勢で話を聞いてくれた店員さん。

「大変申し訳ございません…。
 本来であれば素材の変更は出来ず、高さの調節だけなのですが
 また新しく、素材も含めてヒアリングさせていただき、
 枕を作り直させていただきます。
 
 誠心誠意、ミリ単位で調節させていただきます、良い枕を作りましょう。」

そして

「こちらで枕の高さを図ってみましたが、
 お客様の言う通り、本社で規定されているなにも調整されていない
 スタンダードな高さの枕そのものです、申し訳ございません」…とも。

前回の店舗でのあまりな対応に、怒りが煮えたぎっていたし
ここでダメだったら、本社にクレームをつけてやろう、返金してもらおうと
思っていたのに、ものすごく丁寧な謝罪。

フィッティングも隅から隅まで配慮の行き届いた気遣いで
ちょっと合わないな…でも、本当に些細すぎて言いづらいな…と
思うようなことでも言いやすいように、

何度も何度も「少しでも違和感があったら仰ってくださいね
 何度でも調節いたしますので」と声を掛けてくれたおかげで
とても気持ちよく要望を言えて、来店したときの怒りは
すっかり消えて、買える頃にはむしろ感謝の念でいっぱい。

最初のスタンダードな高さの枕から、
丁寧なヒアリングのおかげでかなり高さが変わった。

フィッティングが終わって、
いざお店を出ようというその時までも
「また少しでも違和感があったら、何度でもお店に来てください」
と、丁寧にお辞儀をして、見送ってくれた。

その後も、家に持ち帰って寝てみると
家と店舗でマットレスの柔らかさがやや違った所為で
枕の調整で何度か足を運んだけど、どの店員さんでも
丁寧な接客で嫌な思いをしたことがなかった。

最初の店舗のひどすぎる対応から
最後の店舗の丁寧な接客で怒りが消えて、むしろ感謝の念にまで
昇華させるほどの丁寧な対応、そして接客のすごさを感じた素晴らしいお店だった。

この接客は、自分の仕事でも心がけるぐらい、影響を受けるぐらい。
何年経っても誠実に、丁寧に、お客さんと向き合いたいと思うほどの
素晴らしい接客だった。

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